ぎっくり腰だと思ったらヘルニアで手術なんてことも?!|コラム

ぎっくり腰だと思ったらヘルニアで手術なんてことも?!

患者様の中で過去にぎっくり腰だと思ったらヘルニアに成っていた。
手術をして入院して会社を休んだり、費用が沢山掛かったり、そこから腰痛が持病になったりと散々な目に遭っている人がいます。

もしもその時ちゃんとした対応をしていれば、手術になる事なく、腰痛が持病にもならなかったはずです。
ここでは、判断と対処を見ていきましょう。

なり方・受傷機転

ではどのような場合にぎっくり腰からヘルニアになるのでしょう?

治療や予防をするにはどのような場合になり易いのか理解しておくと良いです。
屈曲力といって腰を曲げる力がかかり、椎間板の中身が後ろ側に押し出されるような形になった時になる可能性があります。
前側は硬い靭帯で覆われているので飛び出すことはありませんが、後ろは餅の中身(髄核)の出口があるので餅の中身(髄核)が後ろに飛び出し、症状がおこります。

判断する方法

手で検査

SLRテストという手で出来る検査があります。

  1. 仰向けに寝ます。
  2. 他の人に足首を持ってもらい、天井に向かってあげてもらいます。
  3. 20度程度で腰や腰から足にかけての痛みや痺れが出るようでしたら陽性となります。
  4. 40度、50度で足の後ろが突っ張ったり腰がひきつる場合は柔軟性不足です。硬くなっているのでほぐして伸ばして下さい。

病院で検査

MRI

MRIで椎間板から髄核が出ているかどうかチェックします。
膨隆部分が神経に触れているかどうかがポイントとなります。
ただし、有名な整形外科医師(加茂整形・加茂先生)によりますと、ほとんどの場合は軟部組織のトリガーポイントが原因であると仰られています。
これはトリガーポイントに麻酔をいれると症状が消失する事からそうおっしゃられているようです。

ヘルニアとは何なのか

ヘルニアって何でしょうか?
ラテン語で脱出を意味し、飛び出ている部分を指します。
ではどう飛び出しているのでしょうか?

理解するには椎間板を理解する必要があります。
椎間板の重要な機能はクッションです。
クッションの構造は布と綿があります。
クッションの布を繊維輪といい、綿の部分を髄核と言います。
クッションがあるという事はつまり衝撃が掛かるという事です。
衝撃が掛かるという事は破損する事があるという事です。
その破損の仕方ですが、布が破れ綿が外に出ます。
その破れ方や綿の出方によってTypeが分かれます。

タイプ

【Type1】
綿の場所が少しだけ後ろによって布が後ろに膨らんだもの

【Type2 膨隆型】
綿の場所が後ろによって布が後ろに膨らんだもの

【Type3 突出型】
布が破れ綿が後ろに飛び出したもの

【Type4 遊離型】
布が破れ綿が一部外にでて離れてしまったもの

膨らみ方によってタイプ分けがされており、Type3(脱出型)を超えると手術が検討されます。
Type1や2、Type3の状態の軽い物は保存療法で対応可能です。

また、他の分類もあります。

【内側型】
神経根の外側を圧迫するため、身体は痛みのあるほうとは逆側に傾きます。

【外側型】
神経根の内側を圧迫するため、身体は痛む側へと傾きます。

【中心型】
椎間板が真後ろにむかってふくらんで盛り上がるため、背髄神経本体を圧迫し、腰を丸めた状態で痛みが増大します。

どんな人がなり易いのか

繊維輪の損傷

どのような人がなり易いのか理解することは、普段の生活から予防や治療に有効です。

ではどんな人が成り易いのでしょうか?
それは・・・ズバリ背中の丸い人です。

例えば座っているときに腰を曲げたまま座っているような人はなり易いです。
どうしてでしょうか?

これは椎間板の後ろ側の繊維輪が損傷しているからです。

繊維輪は20層ありますが、屈曲力をかけ続けると少しずつ断裂していきます。
その結果髄核が動き症状がおこります。

対処法

腰のストレッチ

前述したように、腰椎に屈曲力が掛かる事により髄核(餅の中身)が後方に突出します。

ですから、伸展力をかけて髄核を前方へ押し戻す力をかけると良いです。

つまり腰を伸ばし、反るほどに伸ばしていれば改善させることが出きます。

この概念はマッケンジー法という技術として当院でも用いています。

しかし、Type3以上の場合は手術・opeの対象となります。
ですが病院では痛み止めを飲みながら突出した部分が無くなるまで3カ月程度待つことが多いようです。

その間は大変つらい様なので、ならない様に歪みを整え、姿勢を正して生活することをお勧めします

手術になると

手術には様々なタイプがあります。

・MED法(内視鏡下椎間板切除術)
・PLDD法(経皮的レーザー椎間板髄核減圧術)
・PN法(経皮的髄核摘出術)

費用は10万円から40万円以上です。
また、入院の必要があるので結構大変です。

ただし、昔は手術というケースが多かったですが、今は病院でも出来るだけ避ける方向にあります。

理由は手術をした後の予後が良くなかったからです。(今はかなり改善されていて、手術後5年までの再発率は4-15%程度と言われています)
ですから、原因を取り去り再発を防止するのが大切になってきます。

整体療法

整体療法も効果があると世の中的に評価されています。
どうしてかというと体のバランスを整えることによって、背骨の正常な状態を取り戻して力学的にかかる負担を正常化します。

その為には背骨を支えている深部の筋肉と背骨の関節がちゃんとしっかり動くように施術する必要があります。

ちなみに我々こころ整骨院グループでもそのような治療を得意としていますのでもしご興味ありましたらお気軽にご相談ください。

ちなみに当院ではこのような治療をしています。
深層筋の治療ではトリガーポイント治療をしています。

これは姿勢を支えているのは深いところの筋肉、すなわちインナーマッスルが司っています。
症状がでている方は全身の深層筋のバランスが悪くなっています。
その負担のかかっている時間が続くとトリガーポイントが出来て筋肉に力が入りにくくなったり、痛みを出します。
筋肉のシコリ(トリガーポイント)を除去することで全身の筋肉が使えるようになります。

上記でお伝えしたように、腰が丸くなっている人がいます。
トリガーポイントが除去できると身体がシャキッとしてきます。
なのでなりやすい人たちの姿勢の逆を取れるので身体への負担が減ります。

背骨の矯正治療を行います。
背骨の矯正はとても有効です。
これも腰椎の矯正をすることで屈曲位(丸くなっている)状態から伸展位(腰を反らす)状態に持っていけるので腰の負担を減らせます。

まとめ

原因と対処を知って入れば、なりづらく、なってしまったとしても最善の対処が取れます。
心配な方はこのページをよく読んでしっかり予防してください。

ぎっくり腰

そのほかのコラムはこちらをご覧ください

第一回コラム
そり腰
第二回コラム
骨盤
第三回コラム
骨盤矯正
第四回コラム
ぎっくり腰の治し方
第五回コラム
ぎっくり腰の原因と予防